塾全協東通信「10月号」を追加いたしました

塾全協東通信のページに

2020年10月号を掲載いたしました。御覧くださいませ。

 

新型コロナの状況下での教育格差

秀和教育センター代表 稲葉秀雄

1今までの教育格差

教育格差が今回の新型コロナウイルス感染症の流行でさらに拡大することは教育関係者であればご理解いただける事ですが、今までの平常時における日本の教育格差を整理しますと、出身階層や出身地域など本人にはどうしようもない条件が重なり合う形で影響を及ぼし格差を生み出しております。成績上位者のトップ層は中高一貫校に通いそこを受験させる手段として私どもの塾通いをする。そこに通わせる親の出身階層はいわずかなである。地域性を見ても都心の港区、千代田区、文京区の小六生の約五十パーセントは私立中への進学を決める。さらに中高一貫校出身者の多くは著名な大学を卒業しその多くは大手企業や、省庁など政財界などに就職し日本における影響力を与えるこの連鎖は良くも悪しくも教育格差を生み出していると言えます。

 

2コロナ状況下での教育格差と対策

コロナウイルスによって本年3月2日から全国の9割以上の小学校、中学校、高等学校が一斉に休校になりました。その後6月からは全国の学校で徐々に再開となりました。この再開に至るまで多くの私立学校はオンラインを活用したようです。首都模試センターでは100校中64%がオンラインを活用したと伝えました。多くの学習塾も早期の対応でオンラインの活用を行いました。これだけを見ると日本の教育は安心だとも取れますがOECDの緊急調査ではICT機器の普及率は77か国中66位で私どもが思ったほど世界レベルでは進んではいません。このようにこの恩恵を受ける子供達と対比して子供自身が所有するパソコンを持ち合わせていない子供達との差は広がる一方です。解決策として浮上している問題点をオンラインがすべてを埋めてくれるものではありません。しかしながら今後の生活様式を考える時オンラインの活用を除いては考えられません。

 

3今後のオンラインの活用と問題点

文部科学省が公立校のオンライン授業の取り組みについて調査したところ導入すると答えた自治体は5パーセントにとどまりました。
オンライン学習の根本は個々の能力に応じた教育ができるという利点です。もしその事が実現できればすべての子供たちに利用させるべきです。政府はGIGAスクール構想(5か年計画)でそのインフラを整備する計画です。同時に学校ICT環境の充実や未来の教室など盛りだくさんの予算をかけ学びに力を入れようとしています。この事が実現したとして、教育格差はなくなるのでしょうか。少子化や日本の生産性向上などを考えると教育の向上は待ったなしです。格差社会は今回のコロナ感染で益々広がりを増している中、少数と思われた格差を感じている人は今以上に増えいくのではないでしょうか。日本は表面的には平等に見えていますが、一部の富裕層だけが生き残れる時代にならないためにも我々教育に関わる者は声を出していかなくてはなりません。

 

4学習塾から教育格差をなくす提案を

前記しましたようにオンラインは必要不可欠ですしICTテクノロジーが格差をなくすかもしれません。その中で学習塾としての目線で格差をなくす提案はできないものでしょうか、多様性の学びがここ最近のテーマになっています。多様性の学びですから何もオンライン学習だけがすべてではありません。パソコンがなくても学びはできます。自分の与えられた環境で最大限できる事をするしかありません。格差がある子供たちに何が一番必要かを考えた時、学習する機会を作るために学習塾に通いやすい環境こそが大切です。OECD(公財政教育支出GDP)の図表を見ると日本の教育支出が諸外国の中で低いとの指摘をされています。少子化の日本の場合子供一人ひとりに対しての観点から見ればこの表の限りではないですが、少なくても教育にもっと支出しても良いのではないでしょうか。特に学習塾費は格差あるご家庭の大きな負担になっています。私の所属している公益法人全国学習塾協会から国の政策についていくつかの提案をしています。その中からいくつかをご紹介します。①民間教育費を軽減税率の対象品目へ、ドイツ・フランス・イギリス・カナダ等は教育費が非課税です。これによって学習塾に通える子供が増える可能性があります。②学校外教育バウチャーの発行。塾に通いたい子供がバウチャー券で授業料(全額・減額)を補助する制度、すでに東京都を初めいくつかの県や市町村で実施しています。財政面から補助するこの様な制度を実現するためには全国学習塾協会だけの力ではどうにもなりません。皆さんの声が必要になります。さて今回のコロナ感染で日本財団は全国の17~19歳を対象に行った調査結果で学校休校によって6割が教育格差を実感とありました。特に学業を上げ学習時間を確保するための対策としてオンライン授業導入と整備が必要と回答しています。このように高校生になると格差を実感するようになりますが低学年の小学生や受験期をまだ迎えていない中学生はその事すら実感してないかもしれません。

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