塾全協東通信「1月」を追加いたしました

塾全協東通信のページに

2020年1月号を掲載いたしました。御覧くださいませ。

 

2020年1月

NPO法人 学習塾全国連合協議会 東ブロック       NPO塾全協

塾全協東通信

題字:怜斎(白川亮 進ゼミ柏)

私塾ネット・関東エリア

+NPO塾全協・東日本ブロック合同研修会

テーマ:塾におけるインクルーシブ教育ってどんなもの?

日時:2019年(令和元年)10月20日(日)14:30~17:00

場所:ワイム貸会議室 お茶の水 ROOM D

主催:私塾ネット関東エリア+NPO塾全協東日本ブロック

参加者数:役40名

講師:導入・・柳田浩靖氏(日米文化学院代表)

ワークショップ・・伊川夢起氏
(宇都宮LDセンター長、特別支援教育士)

開会の挨拶をする仲野十和田
私塾ネット理事長

《導入 (柳田浩靖氏)》

【概要】

inclusiveとはinclude(含む)の形容詞形で、「包括的な」ということを意味する。
「働きアリの法則」というものがある。働きアリのうち、よく働くアリと普通に働く
アリと常にサボるアリの数の比は、2:6:2であるが、常にサボるアリを排除した場合
やはり2:6:2の比が出来てしまう。では常にサボるアリを排除し続けたらそうなるか。
アリは滅びてしまう。人間についても同じ事が言え、インクルーシブ教育は「障害の
ある者は排除されない」という教育である。障害児には「合理的配慮」が必要である。
障害とは「理解と支援を必要とする個性」である。

例えば右上の①の場合、一般的には前に座らせることを考えるが、前に座る子は耳や
目が悪い子ばかりと思われてしまうので、マイクやトゥルースを使用するのも「配慮」である。②の場合は教材を
拡大コピーしてあげる。④の場合は粉が出ないホワイトボードマーカーを使用する。
ADHDのAHは注意力の欠陥、HDは多動性をあらわす。またいわゆるアスペルガーは自閉症スペクトラムといい、
同じ事を何回も言ったりする。その他LDという障害もある。これらの障害に特別な対処法はない。
生涯のゴールとして何を設定するかを念頭に練習する必要がある。
インクルーシブ教育は、子供を納税者にさせる(社会で働けるようにする)教育である。

《ワークショップ (伊川夢起士)》

伊川氏は平成29年生まれの29歳と若手ながら、千葉県と栃木県にて3社を経営されています。
(飲食2、塾4、福祉6、その他)塾生は全部で600名でそのうち400名が障害を持つ生徒です。
自らLD,ADHD,自閉の傾向もある吃音もちとのことでした。
著作権の関係があって撮影や録音ができなかったので思い出しながら概要を書きます。

【概要】今回のワークショップは左下の「類似体験プログラム」に沿って行われました。
参加者は2人ずつ並んで座っていたので、障害の類似体験をしてもらい、どうして
わかりずらかったかを隣同士で話し合う形式でした。例えば一方が複雑な複合図形を言葉で説明して
隣の人にそれを描いてもらう。その後交代して別の図形で同じことをする。
散々な出来でしたが、これはわかりやすい説明の仕方の大切さを体験して貰うものだそうです。
難しい漢字の覚え方や英単語の覚え方は単に何十回も書かしたところで無駄で、例えば
「春」は三人で日向ぼっこと覚えさせれば良いなど、工夫が必要とのことでした。
また下は有名な英語の早口言葉ですが、A peck of pickled pepper Peter Piper picked~という
ものがあります。これを最初に全部小文字でスペースを置かないのを読んで貰います。
その後、普通のものを読んで貰います。明らかに後者の方が読み易くなります。どうして
そうなのかを隣同士で話し合います。文章は書き方次第で読みづらくなったり読み易くなったり
します。日本語でも文節ごとに区切ってスペースを置いたり、スラッシュで区切ったりすると
読み易くなります。

2桁の掛け算で途中の数字をわざとずらしてやる計算をさせられましたが、きちんと揃えて書けない
子には桝を作ってやると有効だそうです。
最後は迷路を利き手の逆の手でなぞって書かせる作業をやりました。壁に触れたら最初からやり直しです。
片方の人はそれを見ていて言葉をかけます。次に拡大した迷路で同じことをやります。この体験は
不器用さ対策と励ましの必要性を体験して貰うためのものでした。
私の塾にも以前からADHDやアスペルガーや自閉症の生徒がいました。かつてはたまたまですが大学で
障害児教育を専門に学んでいた講師が2人いましたので彼らに任していましたが、今はそうは行きません。
こっちの方が根負けしないように我慢と工夫を重ねて行かなければならないとは思っていますが、
なかなか思うようになりません。
従来でしたら、「落ち着きのない生徒」、「飲み込みの悪い生徒」、「思考力のない生徒」、そして
「変な子」で済まされていた生徒が現在では様々な種類の「障害」を持つ生徒として判断されるようになって
来ています。しかし有効な対策がなされていないというのが現状です。まずは「どうしてできないのか、
わからないのか」を理解し、対策を工夫して支援していくことが必要かと思います。
そしてこれはいわゆる「障害児」だけに当てはまるものではなく、常に生徒が、出来ない理由、わからない理由
を考えて行かなければならないことを再認識しました。反省することしきりです。
最後にNPO塾全協と他団体との合同研修会はこれが初めてでしたが、なかなか実りのある研修会でした。
またこういう機会を持てたらやってみたいと思います。

 

民間教育のための自民党国会議員連盟 第5回総会  レポート

日時:2019年(令和元年)10月11日(金)11:00~12:00
場所:衆議院第二会館
参加者数:民間教育関係・・関係約70名、国会議員、各省庁関係・・約15名
レポーター:中村基和

公益社団法人全国学習塾協会会長安藤大作氏       自民党国会議員連盟会長 下村博文氏

今回のテーマは「学校教育と民間教育を繋ぐICT環境設備の推進」で、塾側からは、社団の副会長筒井
俊英氏(栄進館)と、専務理事の常石博之氏(株式会社スプリックス)が発表しました。

左の写真はYouTubeを使ったインターネット授業ですが、YouTubeなら費用がかかりません。だったら
塾は必要なくなるかというとそうではなく、生徒は家にいるとゲームやテレビなどの誘惑があり、
なかなかやらない。やらざるをえない「場」を提供するために塾が必要となるとのことでした。
また、父兄との連絡など塾業務を徹底的にIT化することによって多くの時間と費用が節約出来たそうです。
常石氏は「自立学習RED」は、集団指導型、個別指導塾に続く「自立学習塾」を目指すもので、「自分から
勉強する力を育て、生徒一人一人の学力に合わせた学習プログラムを提供する」ものだと述べました。
勿論AIを多用し、その使い方は、①それぞれの生徒が解く問題を「単元レベル」でなく「単問レベル」で最適化する。②ビッグデータにより、同じ問題でも「解説の濃厚が変動する」。③AIが「定着」を判定。クリアするまで
「繰り返し学習」。④生徒の理解度に応じた宿題や解答時間を「自動的にプッシュ」。というものです。
既に公立の中学校と連携して「『未来の教室』実証授業」を行っています。
会の後半に前回の集まりで沼田NPO塾全協会長が部活に対する提言への解答としてスポーツ庁の方から
解答があり、ガイドラインの確認を今年度中に行い、2020年から実施するとのことでした。
ただ、罰則規定については何も述べられていませんでした。

NPO塾全協東京地区主催  経営研修会

日時:2019年11月13日(水)13:00~14:30
アットビジネスセンター池袋駅前別館 801号室
テーマ:学習塾の生徒募集方法のこれから
講師:小林弘典氏(PS・コンサルティング・システム代表)
参加者数:12名
レポート:中村基和

《講演概要》

*NPO塾全協HPの会員専用ページにビデオがアップされています。

宣伝広告の量と質は適切であるか? 現在、高校の定員より入学者数の方が少ない。競争のないところで
客を集めるのは難しい。
東京の中学生の28%は私立か公立中高一貫校か国立の中学校に行っている。相対評価で言うと5と4の
生徒の殆どが普通の公立中に行っていない。状況が変わっているというのが前提である。
塾はコンビニと同じ数、歯医者よりちょっと少ない数。「塾がありますよ」では「コンビニがありますよ」
と同じでお客が来ない。どういう人たち(収入面で)を対象に設定しているかが大切。ローソン、ファミマ、
7-11、違いは看板が違う程度・・・、一般の人にとってはそんなものだ。それを「ローソンのおでんがいいで
すよ」というふうにしない限り「ローソンに行きましょう」ということにはならない。そういうものを持たない
と中々お客さんが集まってくれない。結局は近いところに行ってしまう。あるいは大きいところに行ってしまう。
あるいは何となく行ってしまう。恐らく深く考えて行っていない。深く考えてくれるようにしないと中々お客さん
が集まらない。
大手は売り上げの7.2%を広告費にかけている。宣伝広告費は生徒数が300~5000までの塾はせいぜい5%、
それ以下だと3%位しかかけていない。年間宣伝広告費は50.000円で1人来る計算になる。中身でなく、金を
使っているかどうかである。中小塾の方が大手塾より講師の質が上に決まっていると思う。
一般紙の世帯あたり発行部数は65%。12歳以下の子どもを持つ親の新聞購読率は37%。年収別購読率。
稼いでいる人は新聞を取っている。年収が500~400万以下になると殆どが取っていない。殆どが取って
いないところに「うちの塾は安いですよ」と広告を入れても意味がない。新聞折り込みは料金が高い塾に
しか効かない。ポスティングはむしろ安い方に効く。
教室を多く持っている塾にはネット広告を勧める。1教場または2教場の塾には勧めない。ただし
ホームページは作っておいた方が良い。
2016年度の世帯別所得は、子供を公立中に通わせている世帯では1000万以上が14.9%、子供を私立中に
通わせている世帯では、51.9%。料金を高くしても面倒を良く見る方が良い。安くても時間をかけなければ
駄目だ。
大学入試関係で面接出来る人はあまりいない。これからは大学入試は絶対にとれる。

NPO塾全協東日本ブロック  今後の主な予定(2019/2020年度)

今後の主なイベント

1月16日(木)  埼玉 経営研修会
5月31日(日)  中高入試を考える会
9月13日(日)  東京 進学相談会
9月21日(月祝) 千葉 進学相談会
9月27日(日)  埼玉 進学相談会

編集 NPO塾全協東日本ブロック 事務局長 中山和行
〒350-0322 埼玉県比企郡鳩山町今宿229番地

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