塾全協通信2024年8-9月号

塾全協通信8-9月号を掲載いたします。ご覧くださいませ。
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暫くお休みしていた「塾探訪」ですが、久しぶりに再開させて貰いました。今回はかつて経営研修会の時にお邪魔したことのある沼田先生の塾、北辰館スクールにお邪魔しました。
 JR松戸駅から京成電鉄に乗り換え、3駅目の稔台駅を降りました。歩くとすぐに某フランチャイズ塾。その後もまた塾。どこも同じかとも思いましたが、平屋か2階建ての個人住宅が多く、大手がよく入る大きなビルもあまり見当たらないので、個人塾をやるには東京都内よりも良いのかもと思いました。
北辰館スクールは、私の塾もそうなのですが、塾と自宅の‘二世帯家屋’です。家賃がかからず(固定資産税は払わなければなりませんが)、通勤時間が1秒と金銭的にも時間的にも体力的にも負担が楽です。(仕事が終わってから自宅に帰るまでの間に寄り道をして、一杯やろうかという楽しみはなくなるのですが)
塾長の沼田先生は、中学に入学してから柔道を続け、北辰館スクールは勉強+柔道の文武両道塾としてTVに数回出たこともあります。最近は柔道はやめ、その代わり塾の一部を生徒向けの図書館にしています。


これからインタビューさせていただきます

中村:確か柔道は中学からやっておられるのでしたね。
沼田:ハイ、中高大そして社会人になってからも。社会人になってから天野道場の師範代になり、四段を取り、ここで師範として正式な‘道場’を開きました。現在は六段です。
中村:学生時代に塾でアルバイトをしていて、それが本業になってしまったという方が多いのですが、沼田先生はどうでしたか?
沼田:学生時代には塾講師の経験はありませんでした。もっぱら柔道場に出入りしていました。卒業
後英語の教材を作っている会社の営業マンを3年やって、その後1年半くらい塾に勤めてノウハウを掴み、1980年、26歳の時にここで塾を開きました。
中村:最初から個別指導でしたか。
沼田:暫くは集団指導でやっていました。ただし、空いている時間に無料で個別指導をやっていました。30年立ってから正式に個別指導をやると公表しました。
中村:先生はずっと一人でしたか。
沼田:時間講師を雇っていたことが一時ありましたが、殆ど一人でやっていました。
中村:生徒はどれくらいいましたか。
沼田:ある年のⅠ年間だけですが104名。70~80名が15年間。その後は50~60名が15年位。60歳を過ぎてからは30~40名。65歳を過ぎてからは宣伝をせず、最近は10名前後です。
中村:教えている学年と教材を教えて下さい。
沼田:小学生の補習は教科書準拠問題集、受験は新演習。中学生は教科書準拠問題集と新中問やマイクリアなどをミックス。高校生は大学受験用に新演習を使っています。大学受験の長文読解などは妻が教えています。その他高校生に現国、古文、日本史、世界史、数Ⅰ、数Ⅱを教えることもあります。
中村:当初から文武両道でしたか。
沼田:四段を取ってから全柔連公認の指導者資格(プロ指導者の資格)を得、正式道場としてやっています。最初は週2回柔道を教えていましたが、勉強の方が忙しくなり、土曜日のみ5時~10時
  の3交代制(小学生の部、中学生の部、高大社会人の部)でやっています。1日60本以上の乱取りをしていました。
中村:1日60本以上の乱取り!体を壊したりしませんでしたか。
沼田:7年くらい前に膝と腰を痛めてドクターストップがかかりました。それが図書館の始まりとなりました。
中村:中央公論社の「世界の名著」や「日本の名著」などシリーズ物が揃っていますが、どこで購入
するのですか。
沼田:主にヤフオクとブックオフです。新刊で買ったのは1割です。内容は6割は文学、1割は思
想・哲学、2割は歴史、1割は自然科学です。貸し出しは自由で、親兄弟も可。詩、童話、小説
の朗読会は月に1回やっています。
中村:塾全協との出会いについて教えて下さい。
沼田:40歳になる前の30数年前(田中幸穂先生が会長の頃)、三島での全国研修大会の通知が葉書で
来ました。国語研究所の先生が講師でした。帰るときに入会しました。
中村:塾をやっていて一番の苦労は何でしたか。
沼田:大手との競争より部活との戦いでした。成績優秀でも大手でなくうちに来る子もいますから。
中村:部活を考慮して時間割を組むときの労は大変ですからね、夏休み前の終業式の日になってやっ
と夏休み中の部活の予定表を渡されたり、突如予定を変えられたり。引退のない吹奏楽部などは
夏休み中、30日間朝から夜まで練習で、夏期講習に来られなかった生徒がいました。かわいそう
なので土日を使って補講をしてやったところ、11月になってやっと終わりました。夏期講習が。
沼田:私も10月途中までというのがありました。
中村:塾をやっていて一番の嬉しかったことは何でしたか。
沼田:教え子の子どもが入ってくれることです。
中村:それは同感ですね。他にはありますか。
沼田:結構式の仲人を頼まれたことが7、8回ありました。あと、結婚式の主賓としての挨拶を頼まれたことも2,3回有りました。これも嬉しいことですね。
中村:それ凄いことですね。最後にこれからの目標は何ですか。
沼田:図書館をいかに充実させるかということです。将来的には市民に公開して使ってもらうことが夢
です。
中村:本日はお忙しいところありがとうございました。

帰宅後、ふと思い出したのですが、沼田先生が塾全協に入会した理由の一つは、奥さんから「あなたはいつも先生、先生と呼ばれてお山の大将みたいになっているから、たまにはもっと先輩がいる中でペーペーになるのも良いことでは」と言われたことだと言うのを聞いたのを思い出しました。