塾全協通信2024年10月号

塾全協通信10月号を掲載いたします。ご覧くださいませ。
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書く力のアップのために 小論文指導法

小島達也 朝日塾宙SOLA

小島先生は現在、岡山市にある個人塾「朝日塾宙SOLA」で中高一貫校の生徒を中心に小学受験から大学受験まで、20年以上にわたり幅広い生徒さんの指導にあたっておられる。 小3から通っている塾生が推薦枠(自己推薦文と共通テスト)で岡大医学部医学科に合格。さらに、同じく小4から9年間指導してきた生徒が高2の東進全国統一テ.ストで全国1位、今年、東大教養学部に推薦で合格した。 また、週4回地元の倉敷高校で3年生の現国と小論文を指導されており、その高校で指導を始められてから、国公立大学合格者数が着任以前には1,2名だったのが、着任して4年目には28名と飛躍的に増えている。入試に小論文を課す国公立大学の学部が急増していることに注目し、その指導に力を入れたことがその大きな要因となっている。いずれも見事な実績である。

・安易にもっともらしい文章が書ける生成AIは子ども達の思考力にプラスになるのか。
・ギガスクール構想によってますます活字離れがすすむのではないか。
・その一方で、小論文をはじめとする記述型入試が急増している状況にどう対処するのか。
・そういった課題に対して、塾としてどのように対処し、実績をどう積み上げていけばいいのか。   

今回のセミナーではこれらの問題に対して、小学3年生から高校3年生まで長年にわたって指導されてきた経験を通して蓄積されてきたことをもとに、小論文の指導方法を通してお話しいただいた。 大量の資料で中学入試から大学入試まできめ細かな分析や指導例を御紹介いただいたが、ごく一部しか紹介できないことが残念である。

〇 入試の改革で、「書く力」が求められている 大学入試は・・・学校推薦や総合型選抜などの増加で小論文を学力試験の代わりに課して学部への適性を判断する選抜する方法が増え、大学の生き残りを賭けて大きく変わろうとしている。

中学入試は・・・岡山県では私立中学も公立の中高一貫校の適性検査型入試と同じそっくりな型が大部分になり記述問題が増えた。 高校入試は・・・思考力・表現力を問う記述問題が増えている。

〇 記述型に強い生徒を育てるために   

現状は→長文が読めない・文が書けない子が増えている。  
ゲーム等の普及で読書離れが進み、頭の中で文字から映像へ、映像から文字へという変換ができない子どもたちが激増し、その語彙数は激減している。  
石川教育研究所のデータを見ると、学力と語彙数・読書冊数は比例し、テレビやスマホなどの視聴時間に反比例する。

またゲームは文字を媒介しないので推論を立てることができない。小さいころからやっているとどっぷり浸かって抜け出せない。  
国語の4技能のうち、文字情報を頭の中で動画情報に変える(インプット読む・聴く)のが読書で、 頭の中の動画情報を文字に変える(アウトプット話す・書く)のが作文・小論文。 だからインプットが動画情報だけで、文字情報を経ていないので作文小論文が書けない。

↓  

読書(インプット)こそ国語力の栄養源である。

〇「どうすれば書けるようになるのか?」 そのために必要なことは・・・

1. 具体と抽象の間を行き来できる

2. 10の法則とは・・・以下の10の法則は詳しい説明があったが①の一部のみ例を上げておく。

① 具体例はカットする
    例 A君の会話です。
        Ⅰ「B君てとてもやさしいんだよ。」
        Ⅱ「昨日、横断歩道で困っていたおばあさんの手をひいてあげたし、その前は僕が落とした消しゴムをわざわざひろってくれたんだ」
  ここではⅠとⅡのどちらを言いたいのでしょう?
       もちろんⅠですね。ⅡはB君がいかに優しいかの具体例にすぎません。読解では言いたいことを述べた後にそれを証明するために具体例がよく出てきます。 上の1. 具体と抽象を分けて読める→書けるようにしていくことが大切です。    
② 事実描写はカットする
③「しかし、だが」の前はカットし、後ろを押さえる。    
④ 否定・肯定表現は否定部分をカットし、肯定部分を押さえる。    
⑤「つまり」の後ろを押さえる。    
➅ 問い・答え型は問いと答えを押さえる    
⑦「なるほど・たしかに・もちろん」に注意する    
➇ 同じことの繰り返しは短いほうを取る。    
➈ 対比が出てきたら引き立て役をカットし強調されているほうを押さえる。    
➉「このように・こうして」の後はまとめが来る。  

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